2月になると降り積もった雪が凍ってかたくなり、人が乗ってもズボっと沈まないようになります。
このことを白川郷では“かってこ”と呼んでいます。
かってこになると、新雪よりも比較的簡単に雪の上を歩くことができるので、晴れた日には森に出かけたくなります。
自然學校の周辺では2~3メートルほどの雪が積もるため、雪上に立つと視線が高くなり、普段目につかない高い木の枝先も観察できるようになります。
目を近づけてじっと観察してみると、それぞれ面白い特徴が見られます。
例えばこちら・・・
私は、猿の顔に見えました。他には羊の顔に見えるものや、笑った顔などに見えるものもあります。
これは、 “葉痕(ようこん)”といって、その名の通り葉っぱがついていた跡です。
続いてこちら・・・
これは”冬芽”といって、春に葉を広げるための準備をしています。
この冬芽の中には葉や、つぼみが丁寧に折りたたまれて入っています。
葉痕と冬芽を観察することで、葉っぱや花が無くてもその木が何という名前なのかがわかります。
ここで、私のおすすめの冬芽と葉痕をいくつか紹介していきます。
先ほど紹介したトチノキの冬芽は水や氷がつかないようにネバネバの樹脂でコーティングをしています。
続いてこちら・・・
わたしは、いくつかの冬芽が密になって飛び出している姿が、なんとなく貝類のカメノテのように見えるなぁと思っています。
(貝類のカメノテ)
続いてこちら・・・
一見スラっとしていて爪のようなシンプルな形ですが、一番の特徴はその大きさです。
日本の樹木の中でも最大級といわれています。
こちらはミズメという樹です。冬芽はとても小さく、あまり特徴がないように見えますがルーペを使ってよく見てみると私の個人的な意見ですが、大きな帽子をかぶった小人のように見えます。
今回は落葉樹たちの冬芽と葉痕を紹介しました。
さまざまな個性ともいえる形や特徴がある事がわかると、ちょっと楽しくなりませんか?
普段なかなか注目されないのですが、冬だからこそ見られるものなので、ぜひ注目してみてください。
まずは、見た目で面白い物を見つけてみるのが良いかと思います。
個人的には特徴から調べて、名前がわかってくると、春にどんな葉を広げるのか、どんな花を咲かせるのかと、想像を膨らませるのも楽しいです。
その樹木の花、葉、冬芽のすべてがつながることで、より一層その樹木と仲良くなれた気持ちになるのです。
まだまだ冬芽だけでは名前のわからない樹木も多いので、今日もまた森へ出かけ、何にみえるかな?と観察を楽しんでいます。
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