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「足あと追跡」

棟方 瑠美

インタープリターのリレーブログ第4弾は、「冬の森の楽しみ方」がテーマです。

しんしんと雪が降る風景や晴れた日の眩しい雪面、自然が作り出す雪や氷のアート、雪を使った遊びも数知れず。冬は魅力溢れる季節です。

私が「今日は森の中へ行きたい!」と思う日は、雪が降り止んだ翌日です。

スノーシューを履いて森へ入ると、あちこちで見つかる動物たちの足跡!

リス、キツネ、テン、タヌキなど他にも様々な動物の足跡があります。

 

降雪の翌日を選ぶ理由は、雪が降っていると足跡がなくなってしまうので、まず雪が止んでいること。そして前日まで雪が降っていることで、新しい足跡を見つけられるからです。

 

足跡をたどると動物たちがどこを通って何をしていたのか、普段は分からない行動を少し知ることができます。雪がある冬しかできないこと、気持ちはまるで探偵!心がトキメキます。

 

いろんな足跡がある中、この足跡を追いかけてみることにしました。

つなげるとYの字になるこの足跡の正体はノウサギ。

ウサギの足跡

 

 

夏毛の茶色い姿から、今は冬毛の白い姿になっています。

足跡は丸い手を先につき、ジャンプするように長い後ろ脚を手の前につきます。(長くつと手袋でやるとこんな感じです。)ですから、足があるのが進行方向だということも分かるのです。

フカフカの雪を踏みしめる気持ちよさを感じながら追跡をスタートしたものの、ウサギがUターンして気が付けば元の場所に戻ってきたり、

人間が渡るのは困難な川に乗り出した雪庇を渡っていたりと、早々に足跡に振り回されてしまいました。

追跡も簡単ではなく、次第に「一体どこを目指しているのだろう?」とブツブツ呟きながら歩き、「なぜこの斜面を登ったのー⁉」と息を切らしながら斜面を登りきり、「えー!せっかく登ったのに降りてる‼」と下り…勝手について行っているにも関わらず、足跡の主にルート選択の文句を言いつつ、更に追跡を続けました。

文句は出たものの、何を考えて、何を探してここを通ったんだろう。とウサギの目線になって森を見渡す時間も、楽しい時間の一部なのです。

 

歩いていると気が付くこともあり、雪から出ている枝の周りには決まってたくさんの足跡があって、枝をよく見てみるとかじり跡がありました。

冬のウサギはこのような若枝や樹皮を食べて過ごしているようです。

 

更に進んでいくと、足跡は埋もれかけた杉の木に続いていました。

中は少しの窪みがあって、なんだか落ち着くスペースを発見。ツルウメモドキのきれいな赤い実も残っていました。

中に入ってみると、かじった後や糞を見つけました。

きっと昨日?もしくはさっきまで?ここにいたのでしょうか。

巣はもたないらしいので、この落ち着いた場所で休憩や食事をしていたのか、足跡、糞、食痕から無事突き止めることができました!

 

追いかけてウサギと出会えたわけではありませんが、ウサギのことをちょっと知ることができて嬉しく、追いかけた甲斐がありました。居心地が良いかどうか、私も実際寝て確かめてみて、せっかくなので記念撮影もしちゃいました。

ウサギの休憩場所に不法侵入、侵入先での記念撮影・・・立ち去る時に罪悪感が沸いたので、一言謝っておこうと書おきをしてきました。ウサギさん、ごめんね。

 

なかなか直接会うことはできない野生動物。

足跡からその行動を考えて、追いかけてみるのは雪がある今しかできない楽しみ方です!

このワクワクする探偵気分、ぜひ味わってみてください。

 

 


[他の記事を読む] 

1.棟方「足あと追跡」

2.工藤「雪の壁には無限の可能性がある」

3.佐藤「天気がいい日は外で食べよう」

4.三原「未知との遭遇」

5.旭 「雪で作る秘密基地」

6.西岡「何に見えるかな?」

7.浅田「冬の写真撮影が大好き!」

 

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