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薪ストーブライフのススメ

ハウツー

春に山から切り出す薪のことを、白川村では「ハルキ」と呼びます。白川村にハルキ(春喜)は欠かせない !?(笑)

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早春のトヨタ白川郷自然學校

 

白川村では、早春の頃の固く締まった雪の状態を‘カッテコ’と呼びます。日に日に強まる日差しや寒気が緩んだ際の雨などで雪が溶けると、雪の中に閉じ込められていた空気が抜け、再び寒気に見舞われ冷やされて凍ることで雪は氷の塊へと変化していきます。最近、まとまった降雪がないので、白川郷は辺り一面、カッテコです。この季節を迎えるとわが家は忙しくなります。次の冬に向けた薪づくりが始まるのです。

 

カッテコの森

 

私は白川村に家を建てることを機に、その暖房のほとんどを1台の薪ストーブで賄うことにしました。なにせ、村の面積の95%以上は森。薪の入手には事欠かないはずです。ところが、私が移住した集落では、谷の流木さえも大切な薪として毎年その所有権を競りにかける慣習が残っていました。こんな山奥でも薪は貴重な資源だったのです。

村史によれば、一冬に必要な薪は三尺五寸~四尺(およそ110~120cm)の長さ×六尺間(およそ180cm×180cm)×三間とあったので、例年、それを目安に準備していましたが、今年は幾分寒いせいか、少し足りないようです。合掌造り家屋の囲炉裏と違い、一日中、火を焚いているわけではありませんし、家そのものの断熱性能もかなり高いので、薪はむしろ余ると高を括っていたのですが、薪ストーブの消費する量は思いのほか多いようです。

 

わが家の薪ストーブ Made in Gifuです

 

山に木が豊富にあるとはいえ、これを薪にするにはかなりの手間がかかります。薪は湿っていては使い物にならないので、冬までにしっかり乾燥させなければなりません。自然乾燥させるには、丸太から薪の状態に加工したうえで、半年以上、日当たりや風通しのよい場所に置いておく必要があります。わが家では10月中旬頃から暖房を使いはじめるので、4月中旬までには薪の状態にして乾燥させなければなりません。

かつては手橇(テゾリ)と呼ばれる道具に重い木材を載せて雪の上を滑らせ、人力で山から運び出していたそうです。今では林道を利用してトラックに載せて運ぶのが一般的ですが、林道の雪がとけるのを待たねばなりませんので、薪割作業が田植えなどの農繁期と重なり、あまり都合がよくないようです。自然の理に則って暮らしを営んでいた先人の知恵には、ただただ感心するばかりです。

 

古老から手橇を学ぶ

 

わが家も先人に倣い、まだ山が一面雪に覆われている時期に木の切り出しを行いますが、その運搬には重い手橇ではなく、市販されている遊具の樹脂製ソリを利用します。これがなかなか使い勝手が良く、軽くて丈夫なことに加え、息子の遊び道具にもなるのでコストパフォーマンスは申し分ありません。たまに小学生の息子も木の運搬を手伝ってくれるのですが、斜面や障害物を考慮しさえすれば、彼の体力でも運ぶことができます。

 

玉切りにしたミズナラ これを遊具のソリに乗せて運びます

 

環境にもお財布にもやさしそうで、体力づくりにもなるかなと思ってはじめた薪ストーブライフでしたが、息子と森で過ごす時間という思いがけない収穫がありました。薪の調達には、少なからず時間も手間も必要ですが、それらを補って余りある価値がそこにあるように思います。もちろん、炎を眺めながら過ごすひととき、例えば、ウイスキーのグラスを傾けながらの語らいも魅力です。今夜もオーク(ミズナラの仲間)の炎と香りに酔いしれます。

 

炎を眺めながらグラスをかたむける至福のひととき

 

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コメント

  1. haru より:

    良いですね!先人の知恵と現代の知恵を駆使し、家族で翌シーズンの暖房の準備をする!
    家族との絆も深まり、そしてグラスを傾ける。
    化石燃料を基にした蓄熱式以下暖房の我が家と比較してしまいました。

    • 匿名 より:

      haruさん、早速のコメントありがとうございます!
      日々の暮らしの良い場面だけを抜粋して書きましたが、薪割の苦労やら家族の不平不満やら、いろいろあります・・・。それも含めて、家族の時間だと割り切っています。(笑)
      実は、わが家も床下暖房(のことですよね)も併用しています。薪ストーブで温められ、天井に溜まった暖気を床下に送風し、床下空間に設置したエアコンで冷めないよう加温していますので、電気を必要とします。
      熱効率は蓄熱式のほうが優れているのでは?何が一番環境に優しいのかの判断は難しいところですよね。
      わが家のこだわりは「森の木からいただいた恵み(熱)を最大限生かす」です。吹き抜けに物干し場を設け、薪ストーブの暖気で洗濯物や布団が乾くようにしています。

  2. パルキー より:

    すみません。匿名で投稿してしまいました。上記コメントは筆者の加藤春喜ことパルキーです。

  3. haru より:

    吹き抜けに物干し場!
    ですよね!
    我が家?自分と愛犬の二人?住まいでは、夜間蓄熱される床暖房の熱で夜間干した洗濯物が乾きます。自分的には少しだけ、環境にも貢献しているかな?なんて思っています(笑)
    ※我が家の蓄熱式床暖房は電気式ですので、熱恋率は1,0です。
    ⇒間違えました。深夜に蓄熱して日中に放熱しますので。暖房が欲しい際にに暖房する機器に比べ、ロスが有ります。
    ⇒そのロス分で、洗濯物を乾燥していますので、結果、±ゼロですかね(笑)

    • ぱるき より:

      雪国では否応なく冬は部屋干しですが、そういえば、一人暮らしをしていた学生時代は、年中、洗濯物が部屋にぶらさがっていたのを思い出しました。(笑)
      当時は洗濯物が少なく、大して気にもしませんでしたが、今では家族全員分を一晩で乾かさねばなりません。部屋の暖房と洗濯物の乾燥って、よく考えたら、結構、表裏一体?ですね。

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