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ドングリの根っこに学ぶ‘生きる力’

加藤 春喜

今年、残土に植樹したミズナラがはじめて実をつけました。今回は、そのドングリのお話です。

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残土に植樹したミズナラが結実

 

この季節、足もとに落ちているドングリをよく見てみると、ほとんどが根っこを伸ばしていることに気づきます。白川郷の森を代表する木の一つであるミズナラのドングリは、根を伸ばした状態で冬を越すことが知られています。これは、ドングリが乾燥に弱いことや、根にドングリの栄養を移すためと考えられています。ドングリはリスやネズミといった森の動物たちの餌となっていることが知られていますが、根に栄養を移すことでドングリが動物に食べられたとしても生き残れるように工夫しているようです。しかも、ミズナラのドングリにはタンニンと呼ばれる消化不良をひきおこす成分が含まれているので、動物に一気に大量に食べられてしまうのを防ぐ効果があると考えられます。つまり、ミズナラはドングリから根に栄養を移すための時間稼ぎもしているようなのです。

 

ドングリを運ぶリス

 

ミズナラのドングリ、つまり、ミズナラのタネは親からたくさんの栄養をもらっているので、リスやネズミに持ち去られて土のなかに埋められたとしても、タネの栄養だけで地面まで芽を出すことができます。それとは対照的に、親からあまり栄養をもらわない小さなタネの植物は自分が生きていくための元手がほとんどなく、すぐに自力で栄養をつくらなければなりませんが、小さなタネから出てきた小さな葉は落ち葉に埋もれるだけで、すぐに枯れてしまいます。ミズナラにとっては乾燥しやすい地面より、土の中に埋められた方がむしろ好都合のようです。運悪く、そこが日当たりの悪い場所だったとしても、親からもらった栄養を食いつなぐことで、しばらくの間、光がさすチャンスを待つこともできますし、ネズミなどに芽がかじられたとしても、根に十分な栄養が残っていれば、再び芽をつけることができます。

 

ミズナラの実生

 

ミズナラの根にはそうした栄養を貯えるという働きの他に、もう一つ興味深い性質があります。一般に植物は光合成という太陽光のエネルギーを利用して自ら栄養をつくる能力をもっていますが、それにはリンや窒素といった無機養分が必要不可欠で、根には土の中に含まれるそれらの養分を集める役割があります。ミズナラの根は土のなかで暮らす菌に自らの栄養を分け与えて雇い、菌のより緊密にはりめぐらされたネットワークでそれらの無機養分を集めてもらっています。もちろん、親のすねをかじって生きているようなミズナラの赤ちゃんにはそれらの菌を養うだけの栄養を分け与える余裕があるはずもなく、ミズナラの赤ちゃんに無機養分を集めている菌は、実はその周りにある別の大きな木達、つまり、近所のおじさんやおばさんといったお隣さんの木の根から栄養をもらって生きているようです。

 

共生菌根菌のタマゴタケ

 

ミズナラの親は、まさに痩せる思いで自分の栄養を子に分け与え、根っこという‘生きる力’をわが子に与えています。しかし、その根っこを優しく包む土壌がなければ、ミズナラの赤ちゃんは無事に育つことができません。ミズナラの赤ちゃんは厳しい生存競争に打ち勝たなければ生き残れないのですが、かといって、やはり一人では生きていけないようです。子を持つ親として、そして、子どもたちの‘生きる力’を育むとされる自然体験を提供する職業の人間として、ミズナラの生き様に考えさせられます。

 

森に落ちていたドングリ。ここからドラマがはじまります

 

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