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みのりの秋~ポケットいっぱいの幸せ~

Field

インタープリターのリレーブログ第3弾。今週から「〇〇の秋」をテーマにお届けします。

お久しぶりです!

「○○の秋」、今回は定番の「みのりの秋」についてのお話です。

 

夏が過ぎ、これからフィールドでは様々な植物が結実する「みのり」季節が訪れます。

毎秋のことですが、木の実を拾ってはポケットをふくらませ、手を差し入れてはじゃらじゃら音をたてて歩くのが大好きで、木の実の感触とその味覚を楽しんでいます。

小さい時からの癖で、はずかしながらこんな年になっても止められません。特に食べられる木の実を見つけようものなら、思わずポケットにいれてしまうのです。

 

先日、あるお母様から、外に出るとなんでもポケットに入れてきてしまうわが子に悩んだ挙句、専用の採集袋を与えたというお話しをお聞きしました。

「洗濯する前にチェックしないと、本当に大変なことになるんですよう~!」と嘆いていらっしゃいました。そのお子さまの場合『石』が主な収集癖らしく、「確かにそのまま洗濯機にいれたら、大変だー!」と、顔では笑って共感して見せましたが、いい年をして同じようなことをして喜んでいる私としては、お母様に対して少々後ろめたく感じます。その傍らで、ポケットに入れた石をニコニコしながら見せてくるお子様の顔を見ていると、「止められないよね~、わかるなあ、その気持ち。」と心でそう思っていても、「とりあえず袋にいれようか。」と、大人らしいことを言ってしまいました。その後、二人と一緒に森を歩きましたが、袋があってもポケットに気になったものを入れようとするお子さまの姿を見て、私はふと思いつきました。人はポケットが膨らむことで幸福を感じるのではないか、と。それは素敵なことだ、という考えに思い至りました。

ならば、みんながハッピーになるポケット収集癖の正しいやり方を紹介すべきだと思い、今回のブログに書くことにしました。

ポケットに入れて身も心も幸せにしてくれる最良の物(ブツ)は、やはり「木の実」でしょう。しかも食べられる種類の堅果(けんか)。

なぜ堅果が良いかと問われれば、汚れないこと、すべすべしてさわり心地が良い、ポケットがすぐふくらむ、ポケット内で固い殻どうしがぶつかる「じゃらじゃら」音はワクワクする、以上が根拠です。

 

 

8月下旬頃から拾えるオニグルミは、枝から落ちると緑の色の果肉が腐りはじめて、固い殻の種がむき出しているのが見られます。

しかし、直接手にとるのはちょっと待ってください。

オニグルミの種を覆う果肉に直接触れると茶色く染まり、洗ってもなかなかきれいにならないからです。

黒や緑の果肉が付いているものをポケットに入れたり、素手で触るのはお勧めしません。落ちているクルミは別にして持ち帰り、水道で洗って果肉や汚れをとり風通しの良い所で乾かしましょう。乾いてからポケットにつめると安心して触ることが堪能できます。

 

堅果の代表「どんぐり」は、何故かいっぱい集めたくなりますが。

たいていは拾ったまま放置され、虫がわいてお母さんに叱られる、というパターンが多いかと思います。ミズナラのドングリは灰汁を抜き、渋みを和らげると食べられますが、後で使う予定があれば、なるべく虫が入った痕跡の黒い点が無いものを選びポケットに入れましょう。お家に帰ったらドングリはすぐに水につけるか、煮るか、冷凍にしましょう。

 

(↑黒く見える点はチョッキリという甲虫が卵をうみつけている)

 

シバグリも同じように虫穴チェックをしましょう。イガの中のクリを出す時には靴で踏みつけて割れ目を押し広げ、トゲに触らないようにしましょう。

 

 

ツノハシバミも外皮があり、産毛のような白く短い毛に覆われていて、素手で触ると刺さるのでそのままポケットにいれていけません。手袋をして外皮をとってから、中の茶色くなった種をポケットにいれましょう。

 

堅果以外にもポケットに入れて楽しいのがヤマノイモの蔓にできる「むかご」です。目印はハート形の長い葉っぱ。これから黄色に色変わりするので見つけやすくなります。

林道を歩いているときには目を光らせ、葉っぱを見つけたら駆け寄ってチェック。この時草むらに足を踏み入れることになるかもしれませんので、ヘビに注意し「引っ付き虫」をたくさんつけて、洗濯する人を困らせないようにしましょう。

 

秋はヤマブドウなど液果(えきか)も実ります。よく熟したものは美味しいですが、これはポケットにいれるとつぶれてしまいますので、採ったそばから食べちゃいましょう。

美味しい木の実は、野生動物たちも日々のごちそうとしてあてにしています。

あまりよくばらず、動物たちの取り分も残してあげましょう。

 

この秋も、ポケットをじゃらじゃら言わせて、ほくそ笑む。そんな私を森で見かけたら、どうぞ温かく見守ってください。

 

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