家で過ごす時間が増えている今日、ぜひ窓の外や家の庭を眺めてみてください。
野山に出かけなくても、私達の身近に棲む様々な鳥が観察できます。向かいの家の屋根ではスズメが鳴いているかもしれません。
庭の植木ではヒヨドリのお食事姿が見られるかもしれません。
生き物の行動観察が好きな私は、彼らを見かける度に足を止め、じっくり観察を楽しんでいます。
今回は私達の生活に身近な鳥、ツバメの観察のお話をします。
民家の軒先などに巣を作るツバメは家の周りで最も観察しやすい鳥かもしれません。
これから巣作りと子育ての時期に入るツバメは、雛が生まれると騒がしい鳴き声と共に、せっせとエサを運ぶ親の姿が見られます。そんな彼らの生活を覗いてみましょう。
親はエサとなる虫を捕まえ、頻繁に雛の元へ運びます。
どれほどのペースなのか気になりました。実際に巣の前で測ると、1~2分程で親がエサを運んできました。
これはどれほどの速さなのでしょうか。
試しに、私も1番近くの草むらで数匹の虫を捕まえてみましたが、1匹捕まえるのに30秒~3分かかりました。ツバメの虫を探す速さに驚きです。
書籍で調べた所、1日639回、平均1回/分との記録(羽田健三監修「野鳥の生活」より)がありました。完敗ですね。
給餌の様子を観察していると、親がどの雛にエサを与えるか、その頻度に偏りがある気がしました。
雛はエサをもらう時、大きく口を開き、鳴き声を上げながらねだります。
ねだり方に上手い下手があるのでしょうか。
確かめるため、それぞれ何回エサをもらったのか記録をつけてみます。
しかし、途中でどの雛か判別できなくなり失敗。
もしかしたら親鳥も覚えられないので、1番アピールしている雛が1番お腹を空かせていると判断しているのかな、と考えました。
本当に雛のねだり方の上手い下手が関係しているのかもしれません。
観察を続けているうちに、他にも新たな疑問が生まれてきます。
親がエサを運ぶペースは雛の数によって変わるのか、雛が親を認識して鳴き始めるのはどのくらいの距離で見かけたときか、等々。
そんな疑問に仮説を立て、調べて考察するのはとても楽しく、ツバメの観察は飽きることなく続けられそうです。
少しマニアックなお話になってしまいましたか?
私は生き物の何気ない仕草を観察しながら、何のためにしているんだろう、どうしてこう動くんだろう、と考えることが大好きです。
ツバメの親がエサを運び、雛が口を開ける。たったそれだけの行動の中から、彼らが必死に生きようとしていることに気づきました。
そして、新たな疑問を確かめるうちに、彼らが見ている世界が少しずつ分かってくる気がして楽しかったです。
ツバメの世界をちょっと知ってからは、町中で彼らを見かける度、心の中で「頑張れー」と、応援したくなりました。
ツバメは家に巣を作ってくれれば、雛の巣立ちまで毎日観察できます。家で過ごす時間が増えた今こそ、ぜひツバメの観察をしてみてください。
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