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小さな虫の大きな冒険

三原 ゆかり

雪虫と呼ばれるセッケイカワゲラのお話です

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まだ冬のさなか、お天気の良い日に外にでると真っ白な雪面に小さな黒い粒がうごめいています。よく見ると虫。真っ黒な体に二股に分かれた長い尾は、水棲昆虫の仲間である特徴です。この虫は「セッケイカワゲラ」と呼ばれ、俳句の世界では「雪虫」という名で春の季語とされているそうです。

 

雪虫というと、地域によって呼ばれている虫が違い、たとえば北海道だと綿毛がついたアブラムシの仲間をそう呼びます。晴れた日に空気中に漂っている様子は、なるほど雪のようにも見えます。

 

白山麓に住み着いた頃この虫の存在を知り、セッケイカワゲラという名前を教えてもらいました。だいたい2月中旬頃フィールドとしている里地や山で見かけていますが、雪の中から突然現れるので、見つけた時には少しびっくりします。まだ草木も芽生えていない、他の虫もいない真っ白な雪面を、ひたすら進んでいる姿に、思わず「今こんな時期に出てきて、食べ物や寒さを耐えられるのか、生きいけるのか?」が心配になります

 

しかしある人から「雪虫は雪を食べている。」という話を聞いたことがあり、調べてみたところ、理学博士の幸島司郎さんのインタビュー記事から、本当に雪を食べていることがわかりました。正確には雪の中にいる微生物を口から摂取しているのだそうです。幸島博士の長年の研究の成果から、セッケイカワゲラの驚くような生態が明らかになっています。

 

かれらは気温が低い所でしか生きていけず、水中で孵化した後は水温の低い川床で夏を眠って過ごし、秋にたまった落ち葉を食べながら、川が雪で埋まる頃に雪面に出てくるのだそうです。

 

成虫になったセッケイカワゲラは太陽の位置をコンパスとして、自分が生まれた所(親が卵を産み付けた所)を目指し、ひたすら雪渓を進みます。雪が解けて川の流れが明らかになった頃、交尾をして一生が終わります。カワゲラの仲間では長生きする方なのです。

 

寒い所でしか生きられない理由は、体温が20度に上がると死んでしまうそうで、このことを知ってから、セッケイカワゲラを直接手のひらにのせるのをやめました。

 

今年の冬は寒くて地域によっては大雪となりましたが、ここ馬狩でも2月24日にセッケイカワゲラを見つけ、季節は順調に春に向かっていることを実感しました。

 

4月になってもまだまだ雪が残る自然学校周辺の景色を見ながら、セッケイカワゲラたちが生まれた川へたどり着けることを願っています。

 

 

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