『ブレイクスルー』とは、進歩、前進、難関や障害を突破することです。
子どもたちだけを募集する「GOGOキャンプ」では、難関や障害の規模に差はありますが、「あ、今ブレイクスルー」と感じる瞬間によく立ち合います。
それに遭遇することは、私にとって大きな喜びであり、キャンプを乗り切るモチベーションになっています。
あるキャンプの初日、集合場所の部屋に集められた参加者は、うつむいていたり、一緒に来た友達の顔だけみていたり、円座になっているのにみんなの視線はちぐはぐで固く不安な感じです。
この緊張をほぐすために、みんなでフルーツバスケットを行いました。
好きなものや趣味にいたるまで色々なお題でそれなりに盛り上がり、そろそろ終わろうと思っていたところに強烈なお題が出ます。
「いじめられたことがある。」
そう言い放った彼が中央からさっと動いたその時、スタッフも含め全員が移動したのです。席が確保できなかった人が何事もなかったように、また日常のお題を何回か続けゲームは終了しました。
この後の案内を待つ間、円座の全員が顔を上げ視線が円の内側に向いていることに気が付きました。それぞれの顔を確かめるような目の動きから、「この人たちとこれからキャンプをするんだな。」そんな心の声が聞こえてくるようでした。
場の雰囲気が、柔らかい安心感に変わった瞬間です。
山登りやシャワークライミングなど、簡単に行けない秘境を探検するキャンプでは、ありのままの自然へ入っていくことで、風にふかれたり、雨に降られたり、強い陽射しにさらされたり、疲れたり、次々と困難がやってきます。
思い通りにいかず、時にはうなだれてしまうことだってあります。
こんな困難を自分の力で、あるいは誰かの言葉やアドバイスで、また美しい自然の風景などから、突破の糸口を見いだしたり、力が湧いてくることがあります。
そうして幾つものブレイクスルーを重ねてやり遂げた後には、深い達成感が味わえるのです。キャンプ最終日、みんなはとても良い表情をしています。
活動の種類がどうであれ、ブレイクスルーは等しく嬉しく、その場に立ち会うすべての人に明るい力を与えるものです。
子どもキャンプにやってくる皆さんたちの持っている力を信じて、その力を発揮してもらえるように、これからも心を込めた準備と、安心安全なキャンプを実行していかなければならないなと、あらためて強く想いました。
今回のテーマのリレーブログでは、私の仲間たちがそれぞれ自分の想いを綴ってくれました。どれも共感することばかりで、私自身も大切にしていきたいと思います。
次回のリレーブログは、少し間をあけて9月に再開いたします。
また、楽しく元気になる内容をお届けしたいと考えていますので、ご期待ください。
リレーブログ『子どもたちと関わるとき大切にしていること』
5.浅田「裸の心」
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