
「あぅー」
「ふにゃーい」
我が家には6ヶ月の息子がいて、昼夜を問わず私や妻を呼び続けます。
そのたびに、
「○○くん、どうしたのー?」とか「もうすぐ、ご飯にしよっか」
と声をかけたり、一緒に遊んだり、抱っこをしたり。
慣れないことばかりで慌ただしい日々ですが、その中で声をかけられたら「ちゃんと反応しよう」と決めました。
彼のまだ言葉にならない声にはきっと「父ちゃん、遊んでよー」とか「母ちゃん、助けてー」といった今の気持ちが込められていると思うからです。
実際はわからないことだらけで、聞いてみても言葉として返事があるわけではなく、抱っこしてみたり寝かせてみたり…
子どもキャンプやプログラムに参加した子どもたちと接するときも同じように、「今の気持ち」を大切にしようと改めて思いました。
家族旅行にスケジュールがあるように、子どもキャンプもスケジュールが決まっています。
でも私はスケジュールがきっちり決まっていて、それに合わせて活動していくことよりも、少しゆとりがあって子どもたちと一緒に作り上げていくキャンプが好きです。
学生の頃、スケジュールに追われてしまった苦い経験があります。
初めて子どもキャンプの進行を担当した時、何度も雨に降られスケジュールはめちゃくちゃになってしまいました。
夜のミーティングでハイキングから遅れて帰ってきた班のスタッフに、「なんで時間通り帰ってきてくれないんだ」と言ってしまう始末でした。
今思えば、楽しいハプニングや出会いがあったのかもしれない、お土産話が気になる展開なのに、です。
子どもの気持ちも仲間の気持ちも大切にする余裕なんてなく、反省ばかりのキャンプでした。
その経験もあり、今は最終日のバスの出発時間以外のスケジュールは目安で、その前後で時間を調整しようと決めています。
あるキャンプに持病があり、一部みんなと同じ活動をさせてあげられなくなってしまったA君という子がいました。
保護者の方と電話で相談し、スタッフ間でも対策を考え悩んだ上での苦渋の決断でした。
当日、A君に私から伝えると涙を流し、ショックを受けていました。
そこで、「今、彼の気持ちに寄り添ってできることはなんだろう」と考え、できないと伝えるだけじゃなく私と2人っきりでスペシャルコースに行こうと提案しました。
曇っていた表情も次第に晴れ、何度も何度も「本当に楽しい、やれてよかった」と言って、最終日は笑顔で帰っていきました。
当然いつでもできるわけでなく、イレギュラーな対応でバタバタしましたが、今でも忘れられない出来事です。
キャンプの事を振り返ってみると、これから息子に向き合っていくことが、子どもたちと関わるときのヒントになるんだろうなと思いました。
こう書くときれいにまとまりすぎて、私の今の気持ちは少し違和感があります。
実際は息子のことは妻に頼ってばかりですし、子どもキャンプも周りのスタッフに助けてもらっています。
大切にしているもう1つのことは「周りを頼り、助けてもらう」ことなのかもしれません。
リレーブログ『子どもたちと関わるとき大切にしていること』
5.浅田「裸の心」
6.佐藤「今の気持ち」◁
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