白谷(しらたに)は自然學校の西方にある谷川で、途中から自然學校の東方を流れる馬狩(まがり)谷と合流し、最後は一級河川・庄川(しょうがわ)に合流します。
写真で見ると、自然學校の建物の背後の谷が白谷です。
白谷の最上部は、下流側から見上げると扇状に枝谷が広がっています。
それぞれの谷を目でなぞると、日本三百名山・三方岩岳(さんぽういわだけ)山頂から、馬狩荘司山(まがりしょうじやま)までの稜線に届きます。
この上流部は急崖で、夏場は草木も生えていない地質がむき出したガレ場が見られますが、積雪期にはカール状の急峻な地形になるところから、最近ではバックカントリーの利用が知られるようになってきました。
上流の地形と高低差から、昔は大雨が降ると暴れ川として住民に恐れられていましたが、現代では砂防堰堤ができて治水されています。
今回は白谷の右岸尾根(写真に向かう左側の尾根)に広がるブナの森を訪ねるスノーシューコースです。
広域図
拡大図
コース名 冬の白谷(しらたに)右岸ブナ林コース
○ルート
馬狩・自然學校発⇒白山白川郷ホワイトロード雪路上⇒白谷右岸口⇒尾根にとりつく⇒右岸の尾根上⇒尾根を上がる⇒三方岩飛騨岩山頂部・東側の見通しが良くなる⇒植生が途切れる急斜面で引き返す⇒登山道・鶴平新道沿いに降りる⇒境界ブナ⇒飯島林道⇒自然學校着
○コースタイム(コースタイムは休憩を含みません) 約4時間
○距 離 約5km
○標高差 600m
コース紹介
本コースは積雪期にしか利用できません。
冬は明確な道筋は無く、どこでも歩けますので、さまざまなルートどりが可能です。
夏の間に山の外観を観察したり、夏道としての登山道を歩いていれば地形や施設が分かり、それが手がかりとなります。
最近はバックカントリーのフィールドとして知られてきた白谷。
この日も先行するスキーヤーの足跡があり、目印にさせていただきました。
自然學校学校から出発してすぐに冬季閉鎖中の白山白川郷ホワイトロードに合流してそのまま路面を利用し白谷まで近づきます。
堰堤工事のためにつけられた林道沿いにしばらく進み、スギ林の中に入りながら尾根にとりついて上がってきます。
スギ林を抜けて尾根の上に出るとブナが多くなってきます。この辺りは標高が900mくらいから林をなし、立派な大木も見られます。
登山道・鶴平新道がある尾根へ上がり、そこからは尾根にとりついて上がります。
尾根のピークは林が途切れ、風当りも強くなっています。
はいてきたスノーシューでは雪面を蹴りこめないほど固くなっていため、立っているだけで下にずり落ちていきます。
これ以上は進んで危険と感じ、アイゼンなどの装備もなかったので、ここから引き返すことにしました。
帰りみちは、籾糠山(もみぬかやま)や荻町集落、鳩ヶ谷ダムを見通せる場所がありました。
夏だと鬱蒼としたブナ林ですが、冬ならではのビュースポットができていました。
もってきた地図を見ながら夏の地形を思い出して、ブナ林をぐんぐん下っていきます。
ブナ林の急斜面は体を使って滑っておりるとあっという間です。
登山口付近にある境界木のブナに寄ってから車道へ降りました。
この車道も冬季閉鎖中ですが、アップダウンが無く歩きやすいため、この道を利用して自然學校へ帰り着きました。
フォトギャラリー
冬季閉鎖で無人の白山ホワイトロード岐阜県料金。手前は白谷の流れと架かる橋。両端に雪庇がついて危ない。
冬のブナ林もきれいでした。
三方岩岳最高峰の飛騨岩(ひだいわ)
帰りみち、下りながら荻町合掌集落の南側(かん町方面)も見えました。
旧大窪(おおくぼ))集落の山中にある境界木のブナ。私たちはそのたたずまいに敬意を表して「ブナの女王」と呼んでいます。
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コメント
「ブナの女王」一度お目にかかりたいですね。
いつもコメントありがとうございます。
女王だけに会いに行くなら1時間強でいけますよ。
今度ご案内しましょうか?
春先芽吹き前まで近づくことは可能です。
是非。4月の大窪池整備(日程は聞いていませんが今年も開催とのこと)の初日の午前中にお願いしようかな。スケジュールが合うといいけどな。
遅くなってすいません。
4月だと薮こぎになるかもです。
大窪池整備4月中に実施するかはまだ未定です。
すみません。