4月中旬から5月上旬まで、このあたりはカタクリが一面を覆います。さらに、そこにはギフチョウやハナバチがやってきて、蜜を吸い、花粉をつけて飛んでいきます。私の住まいから自然學校までの徒歩5分の出勤途中にもその光景が見られ、いつも贅沢だなあ~と春の訪れを噛みしめています。
今年もやはり開花し、私たちの目を楽しませてくれましたが、開花時期ももう終わり。花の見頃は過ぎてしまったのですが、これから実をつけタネが広がっていく様子も、地味ながらとても魅力があります。
今は花が枯れ、小さな実が付き始めています。
このあと、種子が熟すと、まわりがはじけて雨や風に運ばれていきますが、この種子には「おまけ」がついています。これはアリが好きな物質(エライオソーム)らしく、巣の中に運んでいきます。
そしてアリはそのおまけだけを食べ、残った種子は巣の外へ運びだしています。
そうして運びだされた種子はそこから芽を出すのだとか。
(カタクリだけではなく、スミレなども同じアリ散布です。)
アリにとって種子はいらないもの、カタクリにとってはまさにそのアリに「捨てられる」ことこそが勝利なのです。
動けない植物のしたたかな戦略や、自然のつながりを知ると、思わず植物とハイタッチしたくなるような、「すごいよ!天才!」って言いたくなるようなそんな気持ちになります。カタクリの目立つ花の時期だけでなく、これからの種子の時期も見逃せません。
満開のカタクリの様子はこちら
この記事のシェアをお願いします!
Tweet
コメント