STAY HOME を促される今、「ああ、『本を読む』ということが好きでよかったな」と思えるのは、趣味や時間の過ごし方として、読書は時間と場所を選ばないからです。
自宅はもちろん、お気に入りのカフェや公園、図書館や車の中だって、それも好きな時間だけ読むことができますよね。
僕は昨年より白川村に移り住み、自然學校に勤めて2年目になります。
それまで読書といえば、室内に限っていた僕はこの自然豊かな白川村で、外でゆっくり本を読むことのできる場所を探していました。
新しい土地で、自分のお気入りの場所をみつけるのは、楽しいことですよね。街や村を散策することで、知りえるものはたくさんあるはずです。
自然學校の位置する馬狩地区の話ではありませんが、白川郷には合掌集落を一望できる天守閣展望台と、そのすぐ西側に荻町城跡展望台があります。断崖絶壁の山城の跡にあるベンチに腰掛け、杉の木々の間から見る茅葺き屋根の景色は、とても美しいです。
1年目にして「お気に入りの読書場所」をひとつ見つけた僕は、最近まで、外で読書をしたいときは、よくここへ来ていました。
ちなみにこの日読んでいたのはこの一冊。↓↓↓
是枝裕和 『希林さんといっしょに。』
樹木希林さんの言葉には、いつどんなときも「希林節」があって、クスッと笑えるんです。
是枝裕和監督が記したこの本のなかも、例外ではありません。一見深刻な話に思えても、当事者が自分であれ、誰であれ、希林さんはいつも一歩引いた場所から、あらゆる物事を「面白がって」見ているのです。その在り方に憧れ、クセになります。
書き出せばとまらないので、これくらいに…。
お亡くなりになりましたが、いつまでも大好きな方です。
話を戻して、
自然學校のある馬狩地区は、白川村のなかでも特に自然がいっぱいです。
先日、ついにこの馬狩で最高の読書場所を発見しました。
ご覧のとおり、みんな大好き、ハンモックです。
丘にあるあずまやに設置されたこの「丘のハンモック」、ついこの間まで茫々と生える草や茅に覆われていたため、僕はこの場所さえもよく知りませんでした。
しかし、最近のフィールド整備によって、丘周辺も草刈りがおこなわれ、圧倒的なロケーションをもった、読書スポットが実現したのです。
自然學校には、森の中にもハンモックが設置されています ↑↑↑
僕は前者の、丘のハンモックがお気に入りです。
まず、あずまやに吊るされているので、木の温もり溢れる屋根があります。
日よけもできて、天候も気になりません。そして丘の上ですので、心地の良い風がよく通ります。
晴れている日はとくに気持ちがよく、読書→→→お昼寝 この流れは自分的に最高です。
それから、虫が森の中より少ないように思えました。外での読書や、気持ちの良いお昼寝に、虫は少しばかり厄介ですよね。
体を自然に包み込んでくれるハンモックの上で、こんなふうに足を伸ばして、風の音や鳥のさえずりを聴きながら・・・そんな読書は格別です。
ちなみにこの場所で初めて読んだ一冊はこれ。
クレア・キップス 『ある小さなスズメの記録』
第二次世界大戦中、老婦人に拾われた、足と翼に傷を負った小スズメが、婦人の献身的な愛情に包まれながら育ち、戦時下に生きる人々の希望の灯火となっていく、そんな実話です。
なんだか今の情勢と少し重なるように思い、またまた本から良いヒントを得たような気がして嬉しくなりました。
僕は21年の人生のなかで、岐阜県が居住地として6府県目になりました。
学校や公園、誰も知らない場所、落ち着く場所、なにかを思い出す場所…。
それぞれの場所が、確かな思い出としてとても大切です。それらを見つけたり、なくならないように維持したり、忘れないように帰ったり。
それにお気に入りの場所って、自分のなかで大切にしつつも、人にも勧めたくなりませんか?
いつかまた、自由に外へ出かけられる日が戻ってきたら、都会も田舎も関係なく、新しいお気に入りを見つけに行ったり、お気に入りだった場所へ帰ったり、それを共有したりしたいものですね。
この記事のシェアをお願いします!
Tweet
コメント