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お茶の間ネイチャーガイド -似て非なるもの「ネズミ」-

加藤 春喜

「ネズミ」というとどんなネズミを思い浮かべますか?

第2週のテーマは「似て非なるもの」。生きものにはよく似た名前があって、どれが何だかわかりにくいですよね。

今回は、その微妙な?違いに注目して、似ているからこそ、その違いが面白いと感じていただけるような話題をご紹介しましょう。

 

本州には9種類のネズミが生息しており、自然學校の森では、ヒメネズミとアカネズミの棲息が確認されています。

カワネズミやジネズミという生きものもいるのですが、これらはモグラの仲間。形がネズミに似ていることからその名がつけられたと思われます。ミッキーマウスと同じ?ですね。(笑)

(コジネズミ)

 

アカネズミは堅果(ケンカ)も喧嘩(ケンカ)も得意!

堅い殻に守られたオニグルミを自力で食べることができるのは、自然學校の森では、ツキノワグマとリスとアカネズミだけ。木の実が大好きな彼らは、ドングリなども岩の下や土の中などにせっせと貯蔵し、これらの財産を守るためか、野ネズミのなかではめっぽう喧嘩に強いことで知られています。また、ミズナラやコナラなどのドングリに含まれている毒を解毒する能力が高いことでも知られています。

(アカネズミ)

 

一方、ヒメネズミはというと、アカネズミの苦手な木登りが得意で、暴れん坊?とはうまく棲み分けているようです。

(ヒメネズミ)

 

そもそも、競争率の高そうな木の実ではなく、草の根などを主食とするハタネズミというネズミもいます。

こちらはずんぐりむっくりの形をした野ネズミで、喧嘩が強そうにも、木登りが得意そうにも見えません。

しかし、彼らは草を食べるために、アカネズミやヒメネズミにはない、頑丈で一生生え続ける、虫歯や歯槽膿漏の心配がなさそうな何とも羨ましい奥歯(臼歯)と、小さな生きものにしてはやたら長い腸を持っています。

誰も見向きもしない資源を食べるという戦略で、アカネズミやヒメネズミたちに戦わずして勝っているのです。

 

名前の数だけ、生き様があります。

今週は、そんな興味が尽きない生きものの世界をご案内してまいります。

 

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