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雪のひきぎりの谷コース

やってみた

最終回は合掌家屋のカヤを運んだ雪道です

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今回のコースは、一昔前に山の上の茅場(かやば)から、「ひきぎり」という方法を使ってカヤをおろしていた谷を紹介します。

茅場とは合掌家屋の屋根の材であるカヤ(ススキやカリヤス)を育てる畑のようなところです。

昔、茅場は山の上にあり、秋に刈ったカヤを春におろす方法が「ひきぎり」です。

3月に雪が堅くしまる頃、雪の上を滑らせながら大量のカヤを里へおろすのです。

 

そのやり方は豪快で、現地で骨組となる長さ5、6m程の木を一本切って、その両左右にカヤの束を組み、板状の木ソリを下に履かせ、人がその上に乗り、滑り下りながら集落をめざします。

この様子は民族文化研究所の映像民俗学シリーズ・日本の姿第14巻「コガヤとともに」に納められています。

 

場所は世界遺産集落で有名な荻町(おぎまち)の東側にあたります。登り口は集落からになるため案内看板や駐車場はありません。

今回は荻町在住の方に同行していただき、行ってみました。その時の様子をご紹介します。

 

 

広域図

 

 

 

拡大図

 

 

 

 

コース名  ひきぎりの谷コース

 

(ルート)

荻町・白川八幡神社⇔谷沿いの林道をしばらく歩く⇔途中から雪のつき具合を見て谷の中を進む⇔谷を上がりきる・池跡到着

 

距離  往復約4km

 

時間 登り2時間 下り1時間

※雪の状態によります。参考タイムとしてください。

 

行程差 約620m

 

 

高低差図

 

 

 

 

コース紹介

 

白川村荻町集落にある白川八幡神社で案内をしてくださる方と早朝待ち合わせ集発。

所々露出している道路をたよりに上に上がっていくと、作業道の歩道と分かれ道に。

 

 

 

地図を確認し、しばらくは作業道をひきぎりの谷沿いに上がります。

ここから本格的な雪上歩きとなりました。

作業道はやがて別の谷へと離れていくため、雪の付き具合を見て道か離れてひきぎりの谷の中に入り登っていきます。

 

 

 

しばらく雪上を登っていると、谷が分かれきたため地図を確認して枝谷から別れて主谷を更に上がっていきます。

 

 

 

もうすぐ谷を上がりきるということは景色で判断できました。

 

 

 

 

谷を上がりきると昔、雨乞いの儀式が行われていたといわれる「野田の池(のだのいけ)」の痕跡の窪みが見られました。

 

 

写真の左側の窪みが池であった場所。

 

ヒキギリの谷は下りに面してみると、なるほどここは滑りやすそうなコースだと感じます。

昔は作業する際には前日からコースを木の枝で掃いてたり、邪魔なものをどけたり、スムーズに大量のカヤを積んだヒキギリが集落まで滑走できるようなひと手間をかけていたそうです。

 

 

 

最近は、これより上の標高へ登る山スキーコースとしても利用が知られてきました。

スキーはスピードの強弱などコントロールが可能ですが、ひきぎりはそうはいきません。

乗り手や作業する人の経験と連携、絶妙な技術で危険な仕事をやり遂げていたのでしょう。

残雪量や雪の状態、天候などからも、作業する日どりの判断できる「自然を見る目」ともいえる高い能力を持たれていたのだと深く感じ入りました。

 

帰り道、下っている谷間から眼下に見える荻町を目指して、ひきぎりが滑り降りていく様子を想像しながら、昔の人の人の仕事ぶりに思いを馳せました。

 

※紹介した場所以上、上に登るには地図と実際の地形からルートを読み探す技術が必要です。

 

フォトギャラリー

 

 

谷を上がりきった終点から、だんだんブナの木が多く見られます。

 

 

ま新しいクマの爪痕。

 

 

 

 

標高の高い所へ登ると東方向が開け、山並みが見えます。

(上の画像は三方岩岳)

 

 

 

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コメント

  1. 足立 より:

    雪が消えても入って行けるんですか?

  2. 匿名 より:

    谷には途中まで林道がありますが、谷道のほとんどがけもの道並みの歩道です。
    その道が草刈が茂るとわからなく。
    残雪があるうちが分かりやすいです。

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