自然學校がある白川村馬狩地域には、たくさんの生き物が暮らしています。
ここに住んでいると、生き物たちの移り変わりを見て季節を感じることが多くあります。
この連載では生き物が大好きなスタッフ、石原(やんまー)が感じる四季を綴っていこうと思います。
[10月10日]
ずいぶん気温が下がって、カメムシが飛んでくる時期になりました。
嫌われ者のカメさんですが、別に悪いことをしているわけではないので、少々不憫に思っています。
(カメさんの記事はコチラ!→ https://toyota.eco-inst.jp/wp/otyanoma-yanma3/)
カメムシは苦手な方もいるかもしれないので、代わりに同じ仲間のこちらの虫の写真を上げてみます。
ヨコバイという、鳴かないセミの仲間(セミはカメムシと同じ仲間なのです!)なのですが、
とてもいい色をしている気がしたので、初めて拡大して撮ってみました。
熱帯魚みたいですね…!美しい。
オオヨコバイ Cicadella viridis
[10月16日]
冬鳥のアトリがやってきました。
カメラを持って散歩中、曲がり角を曲がったところでメスと目が合いました。
僕も彼女も予期していなかったので、お互いにフリーズ。
向こうは完全に逃げるタイミングを逃していたので、ちょっとだけ失礼して写真を数枚…。
アトリ Fringilla montifringilla (もちろんこの後、元気に飛んで行きました)
大群で日本に渡ってくる鳥で、富山県などでは大きな群れが見られるようですが、
そこから段々分かれて行って、山の中の馬狩に来るころには数十羽くらいの群れになっています。
渡り鳥達の旅はもう少し続きますが、その終わりと共に秋が終わって雪が降る季節に入ります。
[10月19日]
数日冷え込みましたが、穏やかな日差しが戻ったので休み時間に外へ。
クズの葉の上で日向ぼっこしながら、カマキリがポーズを決めていました。
オオカマキリ Tenodera cinensis
目の前でカメラを動かそうものなら、たいていの昆虫は一目散に逃げ出すのですが、成虫になったカマキリは「なんだ?なんだ?」とむしろ興味を示してきます。
昆虫の複眼はたくさんの小さな目が集まってできていますが、それぞれの目の奥に網膜があるので、まっすぐに見るとその部分だけ光が吸収されて黒く見えます。
そこがあたかも人間の黒目のようなので、どの方向から見ても目が合うように見えます。
逃げない上に必ず目が合う(?)ので、数いる昆虫の中でもモデルとしてナンバー1ですね。
同じ日、釣り堀のほとりでアカトンボの仲間のミヤマアカネに会いました。
アカトンボの仲間は実は日本に20種類くらいいて、平均的な里山であれば大抵7〜8種類は住んでいます。
ミヤマアカネは翅の脈まで赤く染まって特に美しい赤色になります。
ミヤマアカネ Sympetrum darwinianum elatum
気温が下がってくるとよく日光浴をします。この日は光を浴びてオレンジ色の影を地面に落としていました。
晩秋、という感じですね。
日本のアカトンボの中でも1,2を争う美しさです
[10月29日]
霜が降りる日が多くなってきて、虫たちの数は段々と少なくなってきました。
日が差すと紅葉が綺麗です。
これから冬に向けて寂しくなってきますが、11月にかけて冬鳥がにぎやかになってきます。
この連載はのんびりした感じで毎月投稿していこうと思っています。
また来月分をお楽しみに!
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