
やっと自然學校周辺にも紅葉が降りてきて、窓の外の景色が華やかになってきました。
「◯◯の秋」シリーズも最終回、「みのり」「植物観察」「音楽会」「収穫」「キノコ」「森歩き」「山登り」と続いて、秋の写真を探すためにスマホ見ていると…出るわ、出るわ、たくさんのウンチの写真。
他の季節に比べて圧倒的に多いのでびっくりです。そう、食欲の秋=ウンチの秋です。
「うわー汚いっ!」「ウンチって小学生かよ…」と思われるかもしれませんが、“食べたら出る“それはとてもシンプルで、人間も動物も同じ生理現象です。
そして、ウンチがあるということは動物が住んでいて、食べる木の実などがある豊かな森であると言えます。
特にこの時期に目立って、ついついカメラを向けてしまうのはやっぱりクマのウンチです。
うらやましいくらい快便で、思わず「うわーでっけー…」と声がもれるようなボリューミーさです。
(ある秋の日のウンチ①)
まずは気になるのはやっぱり臭い、特有の嫌な臭いを想像した方が多いかと思います。
これが不思議、鼻を近づけても嫌な臭いはほとんどしません。
実際に嗅いで確かめてもらいたいところですが、私は酸っぱさを感じました。でもそれもキツくなく「あぁー酸っぱい系かぁ」なんて考える余裕があるくらいです。植物中心の雑食なクマの食生活が影響しているようで、そのためウンチ特有の嫌な臭いがしないと言われています。臭いがしないのであれば一安心、続いてはその食生活が気になります。
夏の終わりに見かけたウンチは「クルミを食べました!」と言っているようなモノで、まだ緑の果肉や殻がたくさん入ってました。
(夏の終りのクルミが多く入ったウンチ)
しかし、ここ最近見かけるウンチは、すっかり見た目が変わり何を食べているか分かりにくいモノが多いです
(ある秋の日のウンチ②)
ちょっと失礼かなと思いつつ、木の棒でほじくってみると、出てきたのはドングリの殻。その近くにある物も同じく出てくるのはドングリの殻ばかり。
(棒の先端にドングリの殻)
それもそのはず、森の中は至るところにクマが木に登ってドングリを食べた痕“クマ棚”ができています。
私が見る限りでは、1日に何種類も食べているのではなく、気に入ったおいしい物を集中して食べているようです。
(できたてのクマ棚)
ウンチをはじめ、クマ棚や爪痕といったフィールドサインはそこに来ている証拠です。
食べているものがわかれば、なぜ今ここにいるのかが見えてきます。
医学的には”便”というように、ウンチはクマからの“便り”なのかもしれません。
毎年のようにクマによる人身事故が全国で発生しています。
もし、真新しいフィールドサインを見つけたら、こちらの存在をアピールすることが大切です。それでも、居続けるクマに出会ってしまったら、無理をせず撤退しましょう。
クマも夢中になるくらい、秋の森は魅力的です。十分に気を付けて楽しみましょう。
「インタープリターのリレーブログ【○○の秋】」
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8.佐藤「食欲の秋=◯◯◯の秋」~クマからの便り~
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